ミトコンドリア機能イメージング(臓器機能の可視化)
ミトコンドリアは、全ての細胞内に存在する細胞小器官の一つであり、核内のDNA以外に、唯一かつ独自にDNAを持ちアポトーシスを誘導する、いわゆる細胞の生死を左右する重要な器官です。
Mitochondrial Complex 1 (MC-I)は、ミトコンドリア内膜に存在し、電子をNADHから補酵素Qへ転移させる酸化還元酵素であり、細胞のエネルギーであるATPを生み出す上で重要な役割を担っています。加齢や他の因子によってMC-1の機能が低下すると、各臓器を構成する細胞の機能が障害され、様々な疾患を惹起すると考えられています。したがって、生体におけるMC-Iの機能を非侵襲的な検査のPositron Emission Tomography (PET)で評価することが出来れば、種々の疾患の初期の病態を捉えることにつながります。(図1)
Mitochondrial Complex 1 (MC-I)は、ミトコンドリア内膜に存在し、電子をNADHから補酵素Qへ転移させる酸化還元酵素であり、細胞のエネルギーであるATPを生み出す上で重要な役割を担っています。加齢や他の因子によってMC-1の機能が低下すると、各臓器を構成する細胞の機能が障害され、様々な疾患を惹起すると考えられています。したがって、生体におけるMC-Iの機能を非侵襲的な検査のPositron Emission Tomography (PET)で評価することが出来れば、種々の疾患の初期の病態を捉えることにつながります。(図1)
[18F]BCPP-BFは、浜松ホトニクス(株)が新規に開発したMC-Iに特異的に結合するPET薬剤です(図2)。本薬剤は、心筋、肝臓、腎臓等エネルギー代謝の盛んな組織に高濃度にかつ特異的に集積するため、[18F]BCPP-BFの結合能がこれら臓器における細胞毒性の早期のバイオマーカーとなりうる可能性は高いと考えられます。
当センターではこれまで、浜松ホトニクス(株)と共同で、薬剤[18F]BCPP-BFの臨床応用に向けた基礎研究を進めて参り、acetaminophen誘発肝毒性を鋭敏に検出できること1)、並びに非アルコール性肝炎を極めて早期に診断出来うる可能性を示してきました2)。これらの結果から、本薬剤の結合能を指標として各種臓器の機能診断ができる可能性が非常に高いと考えました。
文献1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27873239/
文献2) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30014266/
近年、当施設では、[18F]BCPP-BFの合成および製剤化法、品質管理法の最適化を行い、臨床利用を開始するための前臨床段階における有用性に関して、有識者の第三者委員のみから成る放射性薬剤委員会の承認を得ました。これを基に、今後ヒトを対象とした特定臨床研究を実施する運びとなります。
[18F]BCPP-BFを用いた特定臨床研究はこちらをご覧ください。
文献1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27873239/
文献2) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30014266/
近年、当施設では、[18F]BCPP-BFの合成および製剤化法、品質管理法の最適化を行い、臨床利用を開始するための前臨床段階における有用性に関して、有識者の第三者委員のみから成る放射性薬剤委員会の承認を得ました。これを基に、今後ヒトを対象とした特定臨床研究を実施する運びとなります。
[18F]BCPP-BFを用いた特定臨床研究はこちらをご覧ください。